パルゴロ

現オーナー、イラリア・タキスの父、ジャコモ・タキス。イタリアワインの栄光の魁となった彼はまた、イタリアワインの父とも呼ばれています。1972年のこと、ジャコモ・タキスが発表したトスカーナワイン「サシカイア」は、イギリスのワイン誌「デカンタ」のブラインドテイスティングでボルドーの1級シャトーを抜いてトップの評価を受賞。この前代未聞のニュースに当のイタリア人も驚き、この瞬間からイタリアワイン史は急速に、高品質ワインを次々と生み出す黄金時代に突入していきました。しかしそんな彼にも第一線を退く日が…。ジャコモ氏最後の仕事は、一人娘イラリアとのコラボワインをつくることでした。

 
パルゴロファミリー

イタリアワインを名実ともに世界トップクラスにまで引っ張りあげたジャコモ氏は、その後も「ソライア」「ティニャネッロ」など多様性に満ちた銘酒を手がけ、ワインメーカーから引っ張りだこの彼の名は、まさに天才エノロゴにふさわしいものでした。しかしジャコモ氏の真の姿は努力の人。地道な長年の研究こそが最上級ワインへの近道であることを、彼は娘のイラリアにエノロゴ人生の最終章として伝えます。偉大な父から贈られたブドウ畑は、わずか1.5ヘクタール。家庭菜園かと見紛うほどの小さな土地でつくるワインはたったの1種類。極めつけは、ボトルラベルに父ジャコモ氏の名前を入れないというストイックな約束でした。

 
ワイナリー入り口

父との厳格な約束を守る代わりに娘イラリアは、裏ラベルに家族への愛を刻みます。「私の息子R。初めての収穫の初日この世に生まれたわが子。私のパートナーR。私の新しい冒険に勇気をくれたあなた。そして私の父G。この素晴らしいブドウ畑を与えてくれた偉大な父」農薬を一切撒かないため、雑草の刈取りに追われることもありますが、ブドウの収穫は全て人の手だけで行われます。1日のあいだに全てのブドウを摘み終え、すぐにパンツァーノ村にあるワイナリーへ運ばれ醸造を開始。長い発酵作業の後、1年越しの小樽の中で18ヶ月かけてワインはゆっくりと育っていきます。

 
農園

サンジョヴェーゼ80%、メルロ20%。「よいワインは畑でできるもの」という父ジャコモ氏の教え通り、土壌を表現するシンプルなワインを作りたいという思いから生まれた黄金比率。そんな父娘の思いが詰まったワインは「パルゴロ」と名付けられました。「パルゴロ」とはトスカーナ方言で“子供”という意味。イラリアの息子、ジャコモ氏の初孫リッカルドが、ボトリングを開始する2007年の収穫初日に誕生したことからこの名が与えられました。クラシカルで飲みやすい、トスカーナの原点ともいえる味わいが特徴です。

 
ワイン樽
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